EDUCATION
教育について

劇団フルーツバスケットは、表現活動を通して
子どもたちのひらめきや感性を育み、健やかな成長に貢献することを大切にしています。

劇団フルーツバスケット 主宰コラム 劇団フルーツバスケット 主宰コラム

1994年に誕生した、劇団フルーツバスケット。
設立のヒントになったのは、主宰自身が子育ての中で悩み、壁にぶつかりながらもがいた経験でした。
また劇団がスタートしてからの歩みや、日々成長する姿を見せてくれる子どもたち、
そしてコロナ禍という苦難を乗り越えて、劇団がこれから向かっていく未来について。
その根本にある「教育」への想いを、劇団主宰のきくちが赤裸々に語りました。

誕生のきっかけ母になって気がついた、
学校では学べない大切なこと

「子育ては、やり直しのきかない実験みたいなものだから。」

そう実家の⽗に⾔われたのは⻑⼥が⽣まれた時でした。
その後、男の⼦が⼆⼈⽣まれ、まさに「右往左往」という⾔葉がぴったりくるような、
とにかく「⼀⽣懸命の子育て」をしていました。

北海道でも中学受験という⾔葉が浸透してきた時代、⼦どもを英会話教室や⾳楽教室、
進学塾に通わせる親御さんたちも増えていました。
8歳、6歳、4歳に成⻑した⼦どもたちとの⽇々の中で、私の頭にあったのは、
「いい⼤学」を⽬指して幼い頃から受験勉強にいそしみ、晴れて合格すればそこで⼈⽣における
「学び」は終わる──そういう学習モデルを当然のように受け⽌めているのは、
はたして正しいことなんだろうか?
⼦どもたちにとって、実際の社会で必要となる能力を育むことにつながるんだろうか?
そんな疑問でした。

「やさしさや思いやりのある⼦に育ってほしい」 「⾔われたことだけではなく、⾃分なりに考えて、⾏動できる⾃⽴した⼤⼈になってほしい」 「思い通りにいかない時やくじけた時、⽴ち上がる強さ、たくましさを持ってほしい」。

こうした⼒は、タイムリミットのある受験というハードルを前に、 忘れさられてしまうことが多いのではないのかとも感じていました。

1995年頃、地下スタジオでのミュージカル稽古にて。

そんな⽮先、ふとしたきっかけで東京の児童劇団の舞台を観る機会がありました。
⾃分の内なる思い、⼼からの叫びを声と表情で、
そして全⾝のすべてを使ってストレートに表現する⼦どもたち。
演技であるとはわかっていても、その感受性の豊かさや表現⼒の⾼さに衝撃を受け、
⼼を打たれました。
純粋に、⼦どもたちが立つ舞台の素晴らしさや楽しさ、⼒強さなどなど、
その無限の可能性に魅せられ、引き込まれた瞬間でした。
⼦どもたちにも観せたい!なにより⾯⽩いし、楽しいし、ここでしか味わえない特別な感動がある!
そう思ったのはもちろんですが、それ以上に、⼦どもたちと舞台を創ってみたい!
⼦どもたちに歌やダンス、演技で思う存分、⾃⼰表現させてあげたい!
私が偏差値・受験偏重の教育に対して感じていた疑問や違和感、不満の答えがきっとここにある!
そんな思いがふつふつと湧き起こってきました。

札幌にいい児童劇団があれば、すぐにでも3⼈の⼦どもたちを⼊団させるつもりでいました。
でも、残念ながら札幌や近郊のまちに私が思うような劇団はなかった。
ないなら、⾃分がやるしかない。⾃分の感性、感覚に素直に従い、
⾃分にできる範囲で突き進んでみようと思いました。
表現の活動で、ましてや⼈様のお⼦さんを預かるのだから、⼤きな責任が伴います。
中途半端な覚悟ではスタートは切れません。それでも、どうしてもやりたかった。
⼤それた望みや野心があったわけじゃないです。
お⺟さんたちが集まって、「歌が⼤好き!ダンスも⼤好き!⾃分を舞台で表現したい!」
という気持ちのある⼦に舞台に⽴ってもらい、
演技を通して⾃分の思いや考えをストレートに表現してもらいたかった。
それが学校教育からだけでは学べない豊かな人間性、人間力を育むことにつながっていくに違いない。そんな「⺟の願い」から⽣まれたサークル活動が、この劇団のそもそものはじまりです。

第一回公演「時空は風にのって」集合写真。
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